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分析家の独り言 427 (ホイットニー・ヒューストンさん死亡によせて)

2012/02/15 11:05

 

 アメリカを代表する世界的な女性歌手で、「ポップスの女王」とも呼ばれる、ホイットニー・ヒューストンさんが、宿泊していたロサンゼルス郊外のホテルで、11日、亡くなりました。

48歳でした。
 
というニュース。
 
インテグレーター(精神分析家)としては、彼女の冥福を祈るとともに、生い立ちを知りたいところである。
 
幼少期のことはわらないが、2000年頃からアルコールと薬物に溺れ、更正施設への入退所を繰り返していたという。
 
薬物依存、これはフロイトのいう0~1.5歳の口唇期欠損である。
 
この時期に彼女は母親にしっかりと抱かれオッパイを飲み、甘えと依存が出来なかったとみる。
 
彼女の母親はゴスペルのシンガーだったときいた。
 
この母が生まれて間のない彼女をどれだけ抱っこし、オッパイを飲ませ世話しただろう。
 
母により甘えと依存を満たされず、甘えたいのに甘えられず、口唇の満足を求めても得られず、人はいつまでもその満足を求めて固着する。
 
つまり、肉体は時間の経過とともに成長するが、赤ちゃんの心のまま甘えと依存を求め続ける。
 
しかし自分ではどう満たせばいいのかわからず、無闇に何かに飛びつく。
 
それがアルコール、薬物、ギャンブルであったりする。
 
薬物を吸ってはいけないことはわかっている。
 
しかし、善悪の判断が出来ないくらいに欠損していて、無意識はその満足を求めて薬物に手をだしてしまう。
 
口唇期欠損を埋めたい気持ちは抑えきれない。
 
本来なら、赤ちゃんの時に母のオッパイを心地よくゆったり母の胸に抱かれて、安心と安全の中で満足いくように飲みたかった。
 
しかし母は仕事や家事で忙しく走りまわっている。
 
この母にしがみつきけないで、この母のオッパイを飲めないから、薬物・アルコールにしがみつき吸い付く。
 
すると、薬物・アルコールは母のオッパイの置き換え、代理物といえる。
 
日本でも、芸能人やその息子達が薬物に手を出しというニュースはこれまで何件もあった。
 
赤ちゃんの時期に、母親がしっかり抱っこし、オッパイを飲ませ、子どもの甘えと依存を満たせば、後に薬物やアルコール、タバコを吸うことはない。
 
大人になって、母のオッパイを吸うわけにはいかないから、薬物・アルコール・タバコを吸うが、これは母のオッパイを吸っているのと同じである。
 
口と唇の刺激を求める口唇期の赤ちゃんが、肉体の年齢は大人となって何とか社会に適応しながら生きている。
 
しかし、この口唇期の欠損の度合いによって、どこかで破綻が来る。
 
ホイットニー・ヒューストンさんは、歌姫と呼ばれ、歌手としても女優としても社会に認められ、素晴らしい才能と能力を持ち、まだまだ今後の活躍を期待される存在だった。
 
しかし悲しいかな心が成長しなかったために、才能を活かしきれ無かったことが残念でならない。
 
彼女に限らず、全ての人間は自分にしかない個性や特性があり、それを活かして一人一人が輝く人生を歩める。
 
しかし、養育過程による欠損、固着によって、自分らしく活き活きと生きられないことはもったいないことである。
 
この心を成長させる方法として精神分析がある。
 
あらためてホイットニー・ヒューストンさんのご冥福を心からお祈りします。
 
     インテグレーター(精神分析家) 安情共恵
 
 
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カテゴリ: コラむ    フォルダ: 分析家の独り言(コラム)

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